国立高校の動向
国立大学附属校の応募者は前年度に大幅に減少し、今春はその反動が期待されましたが微増で留まりました。自由な校風が特徴ですが大学進学に関する指導はほとんど行われておらず実績も伸びているとはいえません。それが特に男子の敬遠傾向の要因になっているようです。
筑波大学附属の男子はH29年度に大幅に減少し実質倍率が4倍台から3倍台にダウンしました。今春は応募者が30人増えましたが、H28年度の水準には戻っていません。一方で女子は前年度並みの多くの応募者を集め、実質倍率も上昇傾向で男子の水準に迫っています。筑波大学附属駒場は応募者が減少傾向で、実質倍率もH28年度から3.44→3.25→2.80倍と下がってきており5年ぶりの2倍台になりました。お茶の水女子大学附属は前年度に応募者が大幅に減少しましたが今春はやや盛り返し、実質倍率も3.14→3.45倍にアップしています。面接を廃止した東京学芸大学附属も男子は前年度の大幅な応募者減のあと、今春は微増に留まっています。女子は緩やかな減少傾向ですが前年度並みと言っていいでしょう。東工大科学技術は前年度に一般入試の入学手続き説明会を公立高の入試日に合わせたため、応募者が741人から518人へと減少しました。今春はさらに減って399人となり、実質倍率が1.72倍と最近の5年間で最も低くなりました。
私立高校の動向
①変更のあった高校平成30年度の都内私立高校入試では、和洋九段女子と中村が高校募集を再開した一方で、日本橋女学館と三田国際学園が停止したため、外部募集校は前年度と同じ183校になりました。千代田女学園が共学となり校名を「武蔵野大学附属千代田」に変更、文化学園大学杉並も女子校から共学になりました。また日体桜華が校名を「日本体育大学桜華」に変更しました。
②各私立高校の入試概況
男子難関校では、校舎が新しくなった巣鴨は応募者が増加し前々年度並みの入試に戻っています。開成は前年度並みの少ない応募者数で実質倍率も3.01倍と開成としては低めの倍率です。
大学附属校では、明治学院の男子が前年度より減少しつつも400人台を確保して高い人気を維持しています。女子は前年度の反動で応募は減りましたが、まだ倍率は3.71倍と高倍率です。青山学院も応募は増加傾向、新しい校舎が完成したH26年度より人気は上昇中です。中央大学杉並、中央大学附属、中央大学は前年度の反動で応募者数は増加しています。帝京大学は併願基準をアップしたため応募減となりました。専修大学は年々増加、東洋大学京北は前年度に応募減でしたが、今春は大幅に増加しました。
学科改編した足立学園は浸透不足だったのか応募者数が大きく落ち込みました。岩倉は文武両道を目指すL特コースを新設、普通科全体で800人を超える応募があって人気は上がっています。大森学園は英語コースを新設、その他のコースも特進を国立、進学を選抜、普通を総進に名称変更し、その効果があったのか各コースとも前年度以上の応募者数になっています。桜丘は特待クラスの応募者が大幅に増加しました。共栄学園は進学コースが大きく伸び、全体としても応募者数は増加しています。アドバンス本科の募集を停止した駒込は応募減となりましたが、学力レベルの底上げが図られハイレベルな入試になったようです。